巾着のひもはなぜ長い?!
袴には巾着を持つのが一般的ですが、この巾着という代物、意外と古い歴史を持っているのです。
日本はおろか、外国でもこの巾着状の袋は有史以前からあるようで、アルプスで見つかった氷漬けの古代人(約5000年前らしい)が持っていたのです。
その後、延々といろんな使われ方をしてきたのですが時間の都合で端折ります(W)。。。時代は一気に下って江戸時代。
現代の巾着の始発点。丈夫で幅の広い帯の普及とともに、腰にぶら下げるバッグとしてすごく普及したのがこの巾着です。
着物は基本的にポケットなどがないので、バッグは腰にぶら下げる形になりました。でも、そのままぶら下げたのではスルリと落ちてしまう。
そこで作られたのが、『根付』です。巾着の紐の端につけて帯の下を通し上から根付を出せば、ストッパーになります。武士の間では印籠をぶら下げるのに使う『根付』も流行りました。
この『根付』。本来は実用的なものですが、今風に言えばワンポイントアクセント。ファッションリーダーはオシャレな根付をしていたと、いうところでしょうか。
この江戸時代の根付は、海外で価値の高い骨とう品として凄まじい値段で取引されているのはご存知の方も多いと思います。
元は巾着のストッパーなのにですね。
横道に脱線しましたが、結論に移ると、巾着の紐が長いのは『腰からぶら下げて使うものだったから』ということです。
・・・単に『目一杯口を広く開けられるように、紐が長いんだよ』という合理的で面白味のない考え方もありますが・・・。
だからと言っていまどき腰からぶら下げるのは相当ダサい(笑)ので、あまりお勧めしません・・。長いひもはちょうちょ結びでかわいく結んであげるのが良いと思います。
ちなみに腰巾着(こしぎんちゃく)という言葉は、ご主人様にぶら下がって生きているからという比喩でできた言葉です。
腰巾着な大人にならないように、巾着の紐をしっかり締めて頑張りましょうね。
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